「大丈夫ですか?」


誰だよ、ほっといてくれよ。
どうせあたしは最低な酔っ払いだよ。

「ここじゃ身体冷えちゃいますよ?」

しつこいな…。
顔を上げずにいたら、背中が急に温かくなった。
慌てて目をあける。
でもそこにはもう誰もいなくて、ただあたしの肩には暖かそうなジャケットがかけられていた。
すごく甘くていい香りがして、深呼吸したら胃の痛いのが楽になった。
ってか、この服どうすんの?
高そうじゃんか…。
上着脱いじゃった親切な人は、寒くないんだろうか。
そんなこと今更思うくらいなら、声かけられた時に顔あげろって話だけど。

この日は一日、あたしはこのジャケットを着ていた。
梨華ちゃんに「ひとむの趣味?なんか違うよ?」って言われたけど、
「いいじゃんかよぅ」って言い返して。



次の日の朝、あたしは声をかけられたのと同じ場所に行った。
だけどジャケットの持ち主は現れなくて、
次の日も、そのまた次の日もあたしはそこに通った。
売上強化週間だから、かなりあたしはボロボロだったけど、
ジャケットを返さなきゃって使命感だけで通っていた。
なんでそう思ったのかは謎だ。
ぼろ雑巾みたいなあたしに声をかけた人物がどんなヤツか気になったのかな。


そして三日目の朝…。


「あ…」

一人の女の子があたしの前で立ち止まった。

「ジャケットかけてくれたのって…君?」

女の子はこくりとうなづく。

「ありがとう。返そうと思って待ってた」

そう言ってあたしはジャケットを脱いで彼女に渡す。
「あげます」
「え?」
「だって脱いじゃったらまた寒いでしょ?」
「あ…」

あたしってバカ?

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