毎日吐くようになって、体力ががくんと落ちた。
体重も過去最低記録を随時更新中だ。
メール着信音が鳴る。
『おはよう。体調はどう?』
梨華ちゃんからだった。
『なんとか生きてるよ』
梨華ちゃんとは今の店に入った時期が同じで、
でも一歳年上ってこともあって、なにかとお姉さんぶって心配してくれる。
『一回病院行きなよ?』
『気が向いたらね』
梨華ちゃんにはラブラブな彼女がいて、彼女ができてから生活が変わったって言う。
だからひとむも作れば?って言うんだけど…。
さあ、家に帰って一眠りして、同伴相手見つけなきゃな。
夕方になった。
あたしは携帯の電話帳をスクロールして、同伴出勤してくれそうな相手を捜す。
売上強化週間の同伴はやっぱお金持ちのマダムに限る。
本日の同伴は成城の社長婦人に決定だ。
出勤前に社長婦人と一緒に買物やらなんなりとしてサービスをする。
そして、店で使ってもらおうという魂胆だ。
自分の母親より上の社長婦人の肩を抱き、手を繋ぐ。
もう何も感じなくなった。
どんな女にでも好きな風で接することができた。
逆に言えば全くもってときめきを覚えることが無くなったんだ。
社長婦人相手にも、昨日と同じようにがぼがぼ飲んで、吐いて、また飲んで。
そのおかげでなんとか日計ナンバーワンをキープして、閉店後にアフター。
毎日同じ生活パターン。
この日唯一違ったのは、社長婦人の旦那さんが出張でいなかったこと。
おかげでまたしこたま飲まされて…。
朝、解放された時は完全なる泥酔状態。
「気持ち悪…」
電車に乗るとヤバそうだったから、
5駅の距離を歩く。
…やば…。
胃が痛くなって来た…。
脂汗が出て来て、悪寒がしてきて…。
もう歩けないや…。
あたしは道端にしゃがみ込んだ。
こんな早朝に道端でしゃがみ込んでたら、酔っ払いにしか思われなくて。
いや、実際に酔っ払いなわけだけど。
みんなが汚いものを見るような目で見ていく。
見るなよ、畜生。
壁にもたれて目を閉じて、体調の回復を待つ。
目を閉じてると、通行人の笑い声があたしのことを笑ってるように思えて、つらくなった。
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